メールのこと 内子と大洲の町 古いノートから 瀬戸の花嫁 駅ピアノのこと 目次へ戻る □メールのこと 以前ホームページに載せていた「水彩画を描こうという人の ために」と題した小文をやめてしまった。 理由は、「質問や、意見を(メールで)寄せていただきたい」 と記しておいたにもかかわらず、まったく「反応」が無かった からである。 反応が無かったのは、その内容に「意見を言い、質問を寄せ るほどのものがなかった…」ということであったのかもしれな いが、それはそれとして、もう一つ「メールを送ること」に問 題があったのかもしれないと考えている。 不確かな他人(ひと)のホームページについてメールを送る ということは、何か躊躇させるものがあって、このこと(メー ルを送ること)によって好ましくないことが起きはしないか? という思いが私にも覚えがある。 今回の私の場合、「不確か」であっただろうか? ホームペ ージ上に個展の案内を詳細に公開していることからも(今年に 限っては、理由があって具体的な表現を避けた)、そうだとは 思わないのだが。 それならばもう一つ、メールの文面を整えることが面倒なの だろうか? 今は、画集の問合せ以外にメールを使っていただくことはな いが、できればこれらのページに対してのご意見やご質問、そ れに、たとえば「こんな素敵な風景がある」といった情報をい ただきたいものだと思っている。 「ホームページを見ました」これだけの短いものでも、うれし くお受けいたします。 |
□内子と大洲の町 四国へ行ってきた。保存地区である愛媛県の内子を描くため と、最西端の佐田岬、最南端の足摺岬へ行ってみたかったから である。 神戸からのフェリーを松山で降り、内子へ向かった。ちょう どこの日は内子の町の高昌寺の涅槃祭りの日で、町並みにはの ぼりが立ち、寺の境内はたくさんの露店が並んでにぎわってい た。 しばらくして稚児行列が始まった。なんでも、この春小学校 へ入学する子達だという。華やかに着飾った行列を見送るのは 楽しいものであった。 その昔、高昌寺の門前町であったこの町は、後になって木ロ ウの生産で栄えたもので、塗屋造りの町並みが国の重要伝統的 建造物群保存地区に選定されている。南北に伸びた町並みの中 ほどで描こうと出かけてきたのだったが、不運にも中心となる べき建物が工事中で、シートで覆われてしまっていたのがまこ とに残念であった。 佐田岬への途中で大洲の町へ寄った。ここには「おはなはん 通り」という通りがある。NHKの朝の連続ドラマ「おはなは ん」のロケ地だといい、休憩所にはその当時の撮影風景の写真 が展示されていて、ずいぶんと懐かしいものであった。 人通りの多かった内子の町並みに比べ、ここはとても静かで、 古い土蔵のある風景を楽しくスケッチすることができた。 先に「土蔵造りに食傷気味」と書いたことがあったが、それ は各地に見る土蔵造りや塗屋造りの建物のある風景が、あまり にも整然としており、しかも町並みに緑が少なく、風景として の面白味に欠けると感じていたからであった。それに比べて、 ここの風景は漆喰がはがれて土壁が見えた土蔵があり、自然の ままの緑も多くて、予定していたスケッチが楽しくできたので あった。 さて、大洲を出て佐田岬へ向かう。八幡浜から西へ約四〇キ ロ、細長く延びた佐田岬半島の先端までの道である。 ……この続きは、また後日。 二〇〇五年三月 上へ戻る |